倒錯思索ステイルメイト

愚問愚答観察。

2018年の10曲

あけましておめでとうございます。初めまして、Harsakaです(今年からHarsakaを名乗る運びになりました)。

新年初日はというと、知り合いがアポなしで下宿に突撃してきました。どうせみんな帰省しててうちに一人だったしそれは別に良かったんですがダラダラしてるうちにお腹がすいたので外に出ようとしたときにコトは起きました。

 

「いや、元日やぞ?今日は飲まず食わずで耐えようや」

 

ガチで意味が分からないことをさも当然のように言われ寒さ*1でコイツの頭がやられたのか僕の耳がイカれたのかと考えつつ、まぁ無視して行こうとするのですが。

 

「今日我慢したらいつか寿司奢るから」

 

と言われ無事断食することが決定しました。逆張り精神を拗らせた結果年に1回のハレの日に何も口にしないという実に反社会的な発想に辿り着いたらしいです。僕はそこまで拗らせていないので元日こそ真性逆張りの真似事をやらされましたが2日は初売りとかその辺の正月イベントに足を運んできました。逆の者は三が日は死んでもそういうのに出向かないらしいです。

 

余談が長くなりましたが今日は2018年の10曲をリリース順にリストアップしたいと思います。そこそこ長いですが最後まで読んでくれると嬉しいです。

 

1.月のもう半分

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魔法使いの嫁の後期ED。推しの作曲家の白戸佑輔さんが作曲を務め、AIKI&AKINO from bless4さんが歌います。2/7シングルA面でリリース。

魔法使いの嫁』は、魔法使いの素質があるもののそのせいで人生が破滅した主人公のチセと、人身売買にかけられていた彼女を買い取って師匠となった魔法使いエリアスの周りで起こる事件を描く漫画原作のファンタジー作品です。イギリスのファンタジー*2から影響を受けた独特の世界観が素敵で、この曲の不可思議な雰囲気にも現れています。作中概念で魔法使いは弟子を取り二人一組でいるべきみたいな設定があるんですが、この曲の詞はず~っと『対になるもの』が歌われています。それはチセとエリアスの師弟関係のことだったり、チセやエリアス、そしてネタバレになるので名前は出せないけどある重要キャラクター個々人の内面の二面性だったりを指していることが明らかで、作品のことを知っていると月まで伸びて人間アポロになることができるのでぜひアニメも見てください。

推しのフレーズは

「誰もが自分のありのままをわからないから 教えてくれるひとにめぐり逢える」

 

2.High Energy Vacuum

凛として時雨のアルバム楽曲。6thアルバム『#5』2/14リリース。

久しぶりに出たアルバム、まぁ名盤でした。『Ultra Overcorrection』と迷ったのですがこっちの方が実に時雨らしい楽曲で、TKのセンス溢れるギターリフや急にギターの霊圧が消えるBメロ、サビ前にやりたい放題リフタイム、そしてラスサビでは発狂と「これだよこれ!!!w」ってなる一曲だったので採用しました。

奇天烈な展開が多い時雨さんですが昔よりは逆張った構成じゃなくなったなぁと感じます。アルバム内には本当に凛として時雨さんですか?ってくらい素直な進行の曲*3も入っていたりしてさらに表現の幅が広がったように思います(一曲に要素詰め込みまくるのがめんどくなっただけという説はある)。去年の時雨のツアーに都合合わなくて行けなかったの本当に悔しいです。

推しのフレーズは

「引き金引き合って 誰もが視線を撃って 自由を奪い合う」

 

3.ハルカトオク

宇宙よりも遠い場所』1, 3, 7, 9, 13話挿入歌。藤澤慶昌さん作曲でsayaさんが歌います。2/21『The Girls Are Alright!』でリリース。

宇宙よりも遠い場所、通称『よりもい』も2018年を代表する名作でしたね。自閉症多動症、コミュ障などの障害を抱え人生上手くいかない女子高生4人組が窮屈な人間社会を捨てて南極という異世界に逃避してバカ騒ぎするという非常にスカっとするストーリーでした。自身にある障害と向き合いながらもろくに解決しないので、それならいっそ別世界で自由に好き勝手やるぞという主張はまぁオタクの生き方そのものであり、日本全国のオタクが南極で4匹のイモムシになる夢を見ることになりました。

キャラの頭のネジが何本も外れてるので基本はギャグなんですが、それぞれの上手く行かない人生などの暗い過去の話があるのでところどころ本気で泣かしに来ます。そしてこの『ハルカトオク』という楽曲はただでさえ感動的な場面であるところに追い討ちをかけるかのように挿入されているので視聴時かなり印象に残るようになっています。emotionalなアコギイントロから『そっと記した夢』がスッと入ってくるやつ、ただひたすら情緒しかない。これまでの人生で度々挫折してきた主人公たちが南極に抱く切実な想いがみっちりと表現されています。

個人的には、

・出発式で4人が南極に向けてそれぞれの障害を克服しようと決意表明するシーン(STAGE07「宇宙を見る船」)

・しらせの母親の最期の言葉のシーン(STAGE09「南極恋物語(ブリザード編)」)

の2つでこれが流れてくるとこが特に好きです。

推しのフレーズは

「世界の最果てで転がっていく太陽 南風はやがて島を超えて髪を揺らす」

 

4.トリカゴ

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ダーリン・イン・ザ・フランキスの初期EDで、XX:meの歌う楽曲。作曲は杉山勝彦さん。3/28シングルA面でリリース。

ダリフラは中盤まで面白いな~って見てたんですけど19話かそのへんで突如宇宙の第三勢力みたいなの出てきたあたりでついていけなくなって切っちゃいました。コード326の豹変とコード214の圧倒的不遇で毎週腹抱えて笑ってた頃が一番楽しめてましたね。

さて、この曲は一番最初のEDだったんですが、まぁイントロのヴァイオリンリフが強いので一瞬で引き込まれます*4。メロディはAメロからサビまでずっとアーフタクトでノリやすいリズムを保ちながらテンションだけジワジワ上がって行く感じになってます。サビのラインがそこまで高まらずに終わるのは、まだ序盤につき作品の随所に残っている漠然とした不安と、高校生が慢性的に抱える抑圧に対する不満を慎重に丁寧に表現していると感じます(ほんまか)。【トリカゴ】はXX:me的には自分らが住んでる環境(彼女たちは生まれつきよ~わからん閉鎖空間で教育されてきました)で一般学生的には単純に学校や学生生活による縛りを表しています。閉鎖から自由を求める構図はクリシェなんですが何度見ても見飽きません。来期アニメ化される『約束のネバーランド』も閉鎖社会系って聞いたので楽しみにしてます。

トリカゴに話を戻します。歌詞が学生目線なので背景動画においてXX:meのみなさんは作中とは全然違う現実の高校生っぽい姿になってるんですがこれが映えまくってます*5

推しのフレーズは

「夢を魅せたくせに 叶えられる才能を 与えてくれないなんて 辛くなるだけだよ」

 

5.Lonely Queen's Liberation Party

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TRUEさんのアルバム楽曲。堀江晶太さん作曲。同名の3rdアルバムで4/25リリース。頭文字をとって"LQLP"と略されがち。収録元のアルバムの楽曲全部当たりなんでぜひ他の曲も聴いてください。

実はこの楽曲、2018年のアニメ『ヴァイオレットエヴァーガーデン』のOP主題歌として作られたらしいですが、石立監督と話をするなかで、華やかさよりも優しさ・慎ましさを重視することとなり「Sincerely」の方が採用されたみたいですが、このまま寝かせておくのはもったいない!ということで今回アルバムの表題曲となったようです。

nanodayo7.hatenablog.com

その過去エピソードからも華やかな曲であることは明らかで、実際イントロのピアノソロからのAメロアコースティックギター、クラッシュからのドラム、ストリングスとサビに向け楽器の数がどんどん増えていきTRUEさんのテンションも伴奏に合わせて上がっていくのは聴いてるこちらも舞い上がってしまいます。大サビへの盛り上げ方は堀江晶太さんの構成力とTRUEさんの歌唱力の賜物ですが、あそこはマジで表現力で頭を殴られる感覚がします。

2018年のTRUEさんと言えば推しの京アニ作品『響け!ユーフォニアム』の2本目の映画(届けたいメロディ)のEDが『サウンドスケープ〜Loving nostalgia Ver.〜』という2期OP『サウンドスケープ』のオーケストラアレンジでした。オケなので当然ギターではなくストリングスが伴奏で重役を担っていたのですがTRUEさんの歌声が強すぎて楽器側が少し負けているように感じました(まぁ元の曲が好きだし良かったんだけど)。しかし同じ弦メインのLQLPやSincerelyが歌と楽器の音圧の均衡取れてるのでやっぱkemuは何年経っても音圧のバケモノなんやなぁということを実感しました...。

去年はTRUEさんの単独ライブには行ったし*6宇治のコンサートでアレンジ2曲回収した上に京preでユーフォオリジナルと当時の新曲とDivine Spellとかいう古代楽曲も発見することができて無敵になりましたが堀江晶太周辺は行けなかったので今年はどっかで行きたいと思います。

推しのフレーズは

『ふれあう行間に 伝えたい理由がある 言葉で満たされた ガラスの杯』

 

6.VORACITY

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アニメ『オーバーロード』3期OP。MYTH&ROIDさんの歌唱作詞作曲。7/25シングルA面でリリース。

MYTH&ROIDさん、2017年冬に初代ボーカルのMayuさんが卒業されたんですが2代目のKIHOWさんも素敵な方で2018年の楽曲も健在でした。そんな去年のMYTH曲の中で一番刺さったVORACITYですが、同作品アニタイのOxTClattanoiaっぽいな~ってのが第一印象でした(オーバーロード見てないけど)。まぁ同じ作品の世界観で両アーティストに"T"が噛んでるから当たり前っちゃ当たり前でしたね*7。低音の効いたキレの良いテクノ気味のロックに芯のある歌声、伸びないわけがないという感じです。サビで韻を踏んでるのがメチャクチャ気持ちいいです。歌詞はず~~~っと何か食ってるだけの脳筋デブソングでとても面白いです。

推しのフレーズは

「Very very tasty very 盛大に宴を 世界の全て この口腔の中」

 

7.ハイステッパー

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はねバド!』のED。歌、作詞作曲すべて大原ゆい子さんです。8/15シングルA面でリリース。

はねバド!は1話冒頭の試合の作画から見入って、そのまま原作の漫画を最新まで全巻購入してしまいました。熱血スポーツ系で面白いです。主人公の羽咲綾乃が幼少のトラウマのせいでバドミントンが絡むと性格が鬼歪んで表情も顔芸を連発するようになるのがツボです。アニメも良いんですが漫画の方が試合が映えてるのでどちらかというと漫画をオススメします。試合以外のストーリーもアニメ尺用に改変されている部分が多々あって、僕は全然気にならなかったけど原作過激派にはアニメはなかったとする人もいるくらいだし追うなら原典の漫画の方が良いかなと。

さて、綾乃の内面が暗黒過ぎてJKの青春ストーリーと呼ぶにはほど遠い内容にも関わらずこの曲は爽やかな曲調です。エンディングの背景カットも平和なシーンばかりでそこだけ見るとまぁ別作品になってます。youthful beautifulと似たような感じですね。終始疾走感があり、迸る青春を歌った王道の熱血スポーツモノらしいアツい曲に仕上がってます。何で主人公が【アレ】なんだ...????w

推しのフレーズは

「明日なんて当てにしない 今やれること全部 出し切る空っぽになるまで 走り続けていたくて」

 

8.アインソフオウル with Ayasa

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ASCAさんがロックヴァイオリニストのAyasaさんとコラボしたノンタイ楽曲。Pizuya’s Cellさん作曲。9/24配信シングルでリリース(Apple Musicとかで聴いてください)。

2018年で個人的に一番伸びたアーティストがASCAさんなんですけど、特徴として鋭く重厚な弦楽器サウンドとそれに負けない力強くどこかひっかかるような歌声*8が挙げられます。ネームドのプロ奏者を呼んだこの曲は特に弦の主張が顕著で、ハイテンポなのもあいまって歌もよりパワフルになっておりバカでガチ(いわゆるバチバチ)な曲に仕上がっています。京premiumライブではTシャツも買ってこの曲を待機してたんですが干されて1週間寝込みました。これ以外のA面全部拾えたから良かったんですけど。

題名の【アインソフオウル】は創世記において世界を創った無限の光みたいなモノらしく、歌詞も善悪の知識の木を連想させるモノが出てくるなどどこか神話的な内容になっています。

「傲慢な罪の色を 独りになってから知る」

「神さま どうか私に終末を」

終末を求める罪人と言えばさまよえるユダヤ*9が思い浮かんだんですが彼の罪状は西暦30年頃にならないと生えないので大サビの【光】を創世と捉えると時系列が合いません。そもそも天地創造以前に罪は存在し得ないので光は比喩で恐らく独りになった不死の罪人の救済(死)かなぁと妄想してます。不死の耀いを断ち切るのが【無限の光】なのだとしたら超カッコよくないすか?何言ってるかよく分かんないけど。

余談ですがASCAさんは、僕が中高6年間のうち唯一オタクをやっていた中3の頃に見たアニメ『さくら荘のペットな彼女』のED『Prime Number~君と出会える日~』を大倉明日香名義で歌っており、そんな彼女が5年の時を経て各クールの看板アニメのタイアップ楽曲をバスバス取るようになったのは本当に心打たれるものがあります。早くワンマンライブやってほしいです。 推しのフレーズは

「燃えあがれ火の鳥よ あなたを乗せ 星を導いて」

 

 

9.狂ったカンヴァス

JUNNAさんのアルバム楽曲。白戸佑輔さん作曲。1stアルバム『17才が美しいなんて、誰が言った。』10/31リリース。

開幕イントロで古代マヤ文明の奇祭で流れてるようなエスニックフレーズが飛んできて面白いんですが、先日ライブの爆音でソレが始まったので連番者とマヤ派の動きするやつやったところめちゃんこ楽しかったです。アウトロでは付近一帯の方々にも感染してみんなで謎の踊りを踊ってところ世界文化遺産に登録されることに成功しました。ライトアップが曲名通り狂ったカンヴァスになってたのも良かったです。

ライブで映えに映えてたけど普通に音源で聴いてもサビが白戸佑輔さんらしくグングン伸びます。

JUNNAは良いですよ。素で歌が上手いのでライブ行ったら手軽に震え上がることができます。

 

推しのフレーズは

「裏返しした好きと嫌いが騒がしいんだ わかるよだとかほんといいから 私はそんな居場所なんかいらない」

 

 

 

 

 

 

10.アツクナレ

2018年を代表するアニメになってしまった『ゾンビランドサガ』の7話挿入歌。作品内ユニットのフランシュシュの楽曲。12/21円盤特典CDでリリース。

作曲があの加藤裕介さん*10なんですが、作中で初めて聴いたときに構成がワルキューレっぽいなぁと感じてEDでクレジット見たら中身一緒だった時は心の底から楽曲派の顔つきになることができました。

さて、この曲はライブシーンでの挿入歌でありストーリーに大きく関係します。使用された7話においては音源版にはない特殊演出もあり割とそのイメージが強くこの曲の評価に影響しているので各位はゾンビランドサガを見てください。雑に言うとゾンビがアイドルする話です。1話は困惑するかと思いますが騙されたと思って見続けると後半ずっと刺さりっぱなしになる名作なのでぜひ。7話が刺さらなかったら切っていいです。

『アツクナレ』は、昭和の有名系アイドルと平成の有名系アイドルがそれぞれのアイドル哲学で大喧嘩してグズってたところこの曲のおかげで完全に和解して晴れて二人とも本来の力を出し切れるようになったみたいな曲です。1コーラス目が『分かり合えずに』から始まって例の間奏目の前の手を握ってから1サビの終わりで時代を飛び越えて(不和解消して)終わる詞の噛み合いっぷり、天才でしかない。そして2人の衝突が解決したから2コーラス目には苦悩のAパートがなくなるのも好き。音楽的には例の間奏はもちろん、Cメロのクリシェ進行からの落ちサビも気に入っています。

全く大変な曲に遭遇してしまいました。先述の通り下宿でエアコンが使えなくなっているため室内に大寒波が来ているのですが、コレ一曲聴くだけで体があったまるので暖房替わりに利用させてもらっています。

推しのフレーズは

「転んでも這い上がって 死んでも這い上がって 目の前の手を握って 時代なんて飛び越えて!」

 

あとがき

以上で『2018年の10曲』となりましたが去年は良い曲がたくさん出たのでめっちゃ悩みました。今年も楽曲派活動していけたらいいなと思います。

ここまで読んでくれた方、ありがとうございました。聴いてもらって何か刺さる曲があれば幸いです。

*1:暖房のリモコンの電池が切れたまま放置しているので室内にも寒気が吹き荒れています。

*2:不思議の国のアリスハリーポッターシリーズなど。

*3:『Tornado Minority』

*4:楽曲だけ聴いてる立場なのであまり大きな声で言えないんですが、僕が見ていない最後の方のED楽曲『ダーリン』の大サビ前の間奏でこのリフが出てくるのめちゃくちゃ好きです。

*5:このEDで何やら闇ぶった顔してるコード556さんを見て僕はコイツは絶対に伸びると周囲に喧伝してました。伸びました。

*6:会場オリジナルコーナーで『スタートライン!』とかいう曲を拾って流石にデカい声がでたw

*7:Clattanoiaの作曲はOでTは編曲。

*8:LiSAさんと分島花音さんを足して割ったイメージ。

*9:磔刑イベに向かうキリストを煽ったら死ねなくなった亡者。

*10:作曲:ラピスラズリDREAM SOLISTER、ワガママMIRROR HEEART、禁断のレジスタンス一度だけの恋ならワルキューレが止まらないなど