AtCoder で水色になるまでに見てきた作品
こんにちは、harsaka です。
先日 ABC133 で A~E の5完を達成したことで2度目の AtCoder 水色になったことを記念してこれを書いています。やったぁ~!(^ ^)!*1
さて、『水色になるために勉強すべきこと』みたいなのは先行記事*2で書き尽くされているので*3、僕は水色になるために見るべきアニメや漫画について書きたいと思います。
競プロerもそうでない方もぜひ読んでいってもらえたら嬉しいです!
- 響け!ユーフォニアムシリーズ
- かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~
- 魔法使いの嫁
- プリンセス・プリンシパル
- はねバド!
- シノハユ the dawn of age
- 乃木若葉は勇者である
- 宝石の国
- さくら荘のペットな彼女
- 氷菓
- おわりに
響け!ユーフォニアムシリーズ
今春新作映画が公開されたこともあってかそこそこ話題になってますね。京都の吹奏楽部の青春を描いた作品です。
登場人物の根っこの性格や吹奏楽に対する思い入れ、他の部員への繊細な感情などが緻密に描写されており群像劇としてのクオリティが高いです。さらにその部員たち全員が見据える【コンクール】という大目標に向けて個々の物語が集約されていく構造になっているため非常に見ごたえのある展開になっています。京都アニメーションによる超高水準の作画で楽しめるのも大きいです。
部活についての『本気度』による温度差だとか、努力が必ずしも成果に繋がるとは限らないだとか元来の素質の差に対する苦悩だとか競プロ(というか競技全般)に非常に当てはめやすい部分があり、主に結果が出ない時期のモチベーションになってます。イチオシです。
かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~
ラブコメです。副題に頭脳戦とか書いてありますが基本的にキャラの頭は悪い作品で、頭脳戦っぽい頭脳戦をする場面は極めて稀です*5。
特徴として、メインもサブも何かしらの弱点・欠点を晒していたり何やかんや根が善人だったりするので苦手なキャラができにくいというものがあります。また、キャラがかわいいのと作者の教養レンジが広くウィットに富んでいることもあって軽快に読み進められるのが強みです。
全体的な仕掛けとして、物語の背景に『竹取物語』があり役割やら関係性やらを紐解くメタ的ヒントになっています*6。
似たようなジャンルの『五等分の花嫁』と比較されがちですが五等分の方がだいぶシリアスです。設定上向こうの方がキャラのIQ低いはずなのにかぐやの方が能天気というかぽわぽわしてるというか、ノリが軽いの面白いと思います。...五等分の話をすると宗教戦争が勃発しかねないのでここでは触れないでおきます*7。
魔法使いの嫁
イギリス魔法系ダークファンタジー。不幸と孤独から人生に絶望して人身売買に身を投げた主人公が【魔法使い】に拾われ、摩訶不思議な世界で第二の人生を歩むうちにこれまで悲観しかしてこなかった『第一の人生』と向き合う物語です。
音楽的・幻想的世界観と常にどこか昏い登場人物の心象風景に引き込まれること請け合いです。英国文学の教養があれば尚楽しめるようなポイントが散りばめられていたりもします。
余談ですが、アニメ版2期エンディングの『月のもう半分』という曲が『2人の人間の双対性』と『1人の人間の二面性』を歌っているんですが作品に噛み合いすぎてて震えます。
プリンセス・プリンシパル
- 原作:アニメ(1クール)
アニオリ。こちらもイギリスが舞台です。東西で分裂しており戦争目前の不安定な情勢のロンドンにおいて暗躍するスパイ組織のとある女子高生チームの活躍を描く物語です。
考察要素が多く、アニオリということもあってリアルタイムで見てるとき毎週めちゃくちゃ楽しみにしてました。作画が超安定してるのと劇伴がいつもの人*8なので信用ポイント高いです。また、考察要素多いと言いましたが毎回ミッションをこなしたりこなさなかったりで1話完結っぽいところもあるので意外に脳死で見ることもできるかもしれません(たま~に重い話混じってるけど)。
はねバド!
バドミントンをします。熱血係数メチャクチャ高い作品です。主に女子高生のバドの話なんですけど、試合中の主人公の顔がヤバいことで有名です。↑の画像の人が主人公らしいですよ。
普通にジャンプ漫画っぽい白熱したバトルをする一方で急に様子がおかしい狂気カットブチ込んでくるしページめくった先で何が起こるか(どんな顔芸が飛び出すか)分からないとこが面白いです。基本的に社会性に何らかの問題を抱えている選手の方がバドが強いという特徴があるんですが、唯一コミュ強かつ常識人でありながら最強の一角にいる志波姫が好きです。彼女が主人公のスピンオフ小説の存在だけ知ってるんですがまだ読めていないので買わなきゃなぁと思っています。
シノハユ the dawn of age
- 原作:漫画(作画:五十嵐あぐり/原案:小林立/スクウェア・エニックス)
- アニメ:なし。そのうちやってくれないかなぁ。
麻雀漫画『咲-Saki-』のスピンオフ作品です。本編に登場するトッププロや監督たちの青春の物語です。時系列的に過去の話なので本編を履修している必要はなく*9、単体としてオススメできる作品です。
主人公たちが小学生の頃から生活と密着していた麻雀との付き合いを日常と並行して描いており、月日の流れに従って登場人物の精神面や麻雀との向き合い方や考え方、あるいは麻雀の実力が成長していく様子を親のような気分で眺めることができます(キモすぎ)。
僕は主人公の麻雀観がとても好きで、麻雀イベントの前にはよくこれを読んで心を浄化してから試合に臨んでいます*10。
乃木若葉は勇者である
原作:イラストノベル(原案:タカヒロ/著者:朱白あおい/イラスト:BUNBUN)
アニメ:なし。これやるとか言い出したらマジでビビるけどw
『勇者シリーズ』のスピンオフ。『結城友奈は勇者である』や『鷲尾須美は勇者である』の約300年前の【初代勇者】を描いた作品。抗えない天災と戦い続ける少女たちの過酷で壮絶な物語です。
こちらはシノハユと違って本編を知ってから読んだ方が味が出る作品になっているのでまとめてよろしくお願いします。
宝石の国
ミステリバトルファンタジー(???)。人類(作中では『にんげん』と呼ばれている)が姿を消して相当の年月が経った世界で活動する30弱の宝石の物語。
宝石たちを月に拉致し砕こうとする敵っぽい『月人』という存在と日々戦う宝石の日常を描く中で、『宝石や月人とは何なのか』など作品背景の謎が明かされていき、主人公(と読者)が正義がどこにあるのか分からなくなっていく話です。
性別も生死の概念すらない宝石の特質から来る『にんげん』との感覚のズレが面白いです。また、巻を重ねるごとに心身とも満身創痍になっていく主人公を応援したくなります。
アニメは3Dで宝石の光沢を見事に表現しており視覚面で漫画を圧倒的に昇華させたものとなっています。加えて、主人公役の黒沢ともよさんの演技力が凄まじいです*11。とりあえずアニメを見てもらって、面白いと思った方は漫画も手に取っていただけたらと思います。
さくら荘のペットな彼女
- 原作:小説(著者:鴨志田一/イラスト:溝口ケージ/アスキー・メディアワークス(電撃文庫))
- アニメ:2クール
- コミックス
- ゲーム
古(いにしえ)の青春ラブコメ。97のオタクでこれを見たことないやつはいないくらいには世代を代表する名作だと思っています*12。
いわゆる天才と凡人の差というテーマが徹底して描かれており、どこか陰鬱な雰囲気のアニメ2クール目を象徴する21話『誰のせいでもなく雨は降る』なんかは『凡人』を最後まで突き放す残酷なエピソードとして強く印象に残っています。
努力して努力して努力して、それでも敵わない相手がいること。色々な作品に触れたあとだと食傷気味の内容かもしれませんが、7年前そこらの自分にとってはこの作品こそが鮮烈で心臓を貫く鋭さを持っていました。脆く儚い青春の夢を見させてくれた最初の作品です。
思い出補正があるので僕は今でも見られますが、大学生がイチから見るにはラノベ原作特有のアホくさ成分を多分に含むので【本質】に突入するまで辛抱が必要かもしれません。
氷菓
原作は<古典部>シリーズとして知られた青春ミステリ作品。『古典部』に属する高校生4人が日常に潜む謎を解いたり解かなかったりします。
基本みんな高1とは思えないほど賢く教養がある*13*14一方で、それぞれが心に抱える年相応の悩みと向き合っていくストーリーは、かつて青春を生きてきた人間を容赦なく刺しに来ます。
短編だと画像1枚目の通り手作りチョコレート事件が好きですが、長編だとクドリャフカの順番が好きです。解決編の絶望の味が忘れられません。
アニメはシンプルに面白い原作に異様に良い作画と劇伴*15を乗せ、これが伸びないわけがないと言わんばかりの出来栄えとなっており手放しで勧められる作品になっています。
おわりに
まだまだオススメしたい作品はいっぱいあるのですがキリがないので今回はとりあえずこの10作ということで!気になる作品があったという方はぜひ読むなり見るなりしてください!そして良かったらどこかで感想を聞かせてくれるととても嬉しいです。
最後に、ここまで読んでくださった方、貴重な時間を割いて読んでいただきありがとうございました。それではまた!*16
*1:いや、院試勉強は?
*2:これとか割と細かく書かれていて参考になるかと思います。AtCoderで水色になるまでにやった事とかをまとめる - shibh308’s diary
*3:個人的にはとにかく過去問300~400をこなしてみると遅かれ早かれ成果は出ますとだけ言っておきます。
*4:アニメに対応する時系列の総集編的作品が2つとスピンオフ的位置づけにある『リズと青い鳥』及び新作の『誓いのフィナーレ』
*5:なお作者は賢いんやろなぁみたいに思わせられるシーンが随所にあります。日常に伏線仕込んで長編で回収するやつ気持ち良すぎる。
*6:これのために試験期間に図書館いるときに竹取の関連書籍を2,3冊開いてしまい朝から晩まで丸1日溶かしたという壮絶な過去があります。
*7:何とは言わないけど"14253"。
*8:梶 浦 由 記
*9:まぁ履修してたら知ってるキャラ登場するたびに奥歯痙攣するので知ってるに越したことはないんですが。
*10:harsaka のヒミツ ・競技麻雀サークルで麻雀を打っている ・特になし
*11:まぁいつものことですが。彼女はこのアニメ放映年(2017)に声優アワード主演女優賞を取っています。
*12:実際まだオタクじゃなかった中3の頃の俺もこれだけは見ていたし原作も読んでました。何なんだガチで。
*13:上述のさくら荘のキャラと比較すると偏差値30は違いそう。
*14:主人公に至っては老成していると言っても過言ではないくらい。
*15:シシリエンヌ 氷菓(Hyouka) OST 9. - YouTube, 解決ながらも暗然 氷菓(Hyouka) OST 43. - YouTube
*16:いや、院試勉強してね???